岩手県野田村野田
2012/03/31取材
この十府ヶ浦の地は、千年以上の昔から、歌枕として都の貴族たちの歌に詠まれた名勝地であると伝えられる。
みちのくの とふの菅こも 七ふには 君をねさせて みふに我ねん
みちのくの 野田の菅ごも かた敷きて 仮寐さびしき 十府の浦風
十府ヶ浦は、この地独特の紫色の小豆砂におおわれた、約3.5kmにわたってゆるやかな弧を描き続いている海岸である。かつてはこの十府ケ浦海岸では製塩が盛んであり、今も「野田塩」は、この地の名産品として生産されている。
しかし近年の潮流の変化や、度々の津波被害により、砂浜が徐々に後退し、かつての姿を失いつつある。