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① 荒唐無稽な「金日成神話」

北朝鮮では、荒唐無稽な「金日成神話」がまかり通っている。それらの「神話」は、子供たちを対象とする金日成偶像化教育の中心的な教材として「白頭山伝説集」という本に集大成されている。それは、金日成の誕生から始まり、抗日遊撃隊時代、解放直後の北朝鮮の社会を指導した時期までの過程を説話形式で綴っている。

その内容を、額面通りに受け取っている者は、洗脳が進んでいる北朝鮮でも少ないだろうが、北朝鮮政府はその収録内容は、「朝鮮の社会科学者たちが数百回を厭わずに、白頭山と中国東北地方を歩き回って資料を収集した」とし、「伝説集に盛り込まれた作品は、全てこのような実際調査過程を通じて発掘・考証されたもの」としており大真面目である。

朝鮮半島の「歴史捏造」の具体的実例として大変に興味深いものがあるのでアップする。

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「金日成将軍様は天が生んだお方だ。千年に一人の偉人を仰ぐ心に、国境はあり得ず、民族の別もあり得ない。空の太陽を仰いで称えるのに国は関係なく、民族も関係なく、日本軍将校さえも金日成に従い遊撃隊に合流した」

「金日成の率いる遊撃隊は神出鬼没、百戦不敗の勇士たちだけだった。金日成将軍は縮地法も使い、変身術、忍術、昇天入地などの術法に長け、天文地理にも明るく、千里離れたところにいても日本軍の動きを掌を見るように把握した。将軍様の意は天に届き、将軍様の人柄は天下を抱くほどで、将軍様の知略は非凡無双であり、この世に右に出る者がいない」

「将軍様は紙で船を造って川を渡り、紙で空へ飛ぶ道具を作り、その上に乗り込んだ。将軍様が遊撃隊に支給した弾には目があり、日本軍に百発百中で命中した。」

「将軍様は白頭山池から朝鮮半島を見下ろしつつ、すべての村の朝鮮人民たちを助けた。寒さに震える人民のために、日帝の銃弾も貫くことができない防寒防弾の布団をプレゼントし、龍の気骨の孝女、銀心に、白頭山だけにあるという珍しい薬草薬種を入れて、達人薬剤をプレゼントした。」

「普天堡の戦闘では、日本の警察官駐在所は、遊撃隊の機関銃の射撃を受けて蜂の巣となり、営林場、農業試験場などは炎につつまれ灰になった。辛うじて生き残った警察官たちは、右往左往したあげく我が軍にまで逃げ込んで来る者もいて、世の中の笑いものになった」

「日本の総督は、普天堡での敗北を伝えた東亜日報を全て集め、庭先で燃やしてしまったが、空いっぱいに舞い上がった火の粉が白い紙切れに変わり、ひの光にきらめきながら、牡丹雪のように降り、人民はそれを受け取り、普天堡が金日成将軍様が導く遊撃隊に攻撃されて満身創痍になったと大喜びした」

「この新聞の火の粉は、海を渡って大陸も越え、飛んで行かない所がなかった。そしてヨーロッパの都市でも空から落ちてくる新聞を受け取って驚き、米国やアフリカの原野でも、空から舞い落ちる新聞を受けて驚嘆を禁じえなかったという」

「金日成将軍様の字体は、秋史・金正喜(朝鮮王朝後期の名筆家)の『秋史体』を凌ぐのはもちろん、東西古今を問わず有名な書家たちの長所が全て統合されたもので、優に『太陽書体、』である偉大な首領様の筆跡をもらうことを最高の光栄と考え、彼の筆跡を大変貴重な家宝とし、国宝として大切に保管した」

「アメリカのある牧師が金日成に会い、『キリストが今日も世界数十億の信者たちから崇仰を受けるのは、人間に対する彼の博愛心が理由だが、偉大な主席様はキリストすらも敢えて比べることができない愛の最高化身だ、』と感嘆した。」

「全国で最も有名な手相占い師によると、今まで見たこともない手相で、知恵と理想、人望、判断、長寿、健康などがただ一つの結論、すなわち宇宙のように無限で、地のように厚く、万事、大吉につながる、全宇宙で唯一無二の手相だと語った」