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宮城県南三陸町戸倉津の宮…八幡宮

震災前取材

志津川湾にぽっかりと浮かぶ椿島と竹島。この竹島には、その昔、天女が舞い降りたと言う伝説が残されている。その内の一人が病に倒れ、この志津川で亡くなったといい、その亡骸を手厚く葬った石積みの塚が天女塚と言われている。

ある日、竹島から楽の音が聞こえてきた。これを聞いた島守が不思議に思い、舟を漕いで島に渡り物陰から窺い見ると、幾人かの天女達が楽器を鳴らし音楽を奏でていた。天女達は島守に気づき驚いて飛び去ってしまったが、一人の天女が立ち迷っていたのを、一緒にいた子犬とともに舟に乗せて連れ帰った。

体が弱っていたようなので、食べ物を様々に勧めてみたが、慣れない食べ物のようであまり食せず、話すことも少なく、朝に夕になげいている様子だった。

村の老人とも相談し、役人へこのことを知らせたが、役人が来る前に、七日ほどで、愛犬ともども死んでしまった。島守は不憫に思い、塚を築き手厚く葬ったという。