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秋田県にかほ市黒川字竹島潟

震災前取材

 

竹島潟は、現在は「白瀬南極探検隊記念館」などがあり、明るい公園として整備されている。しかし、この沼は殺生禁断の沼として、次のような伝説が伝えられる。

ずうっと昔のこと、竹島潟の近くに住んでいたお百姓が、この竹島潟を干拓しようと堤を造りはじめた。ところが、もう少しで完成というときに轟音とともに堤防が崩れてしまった。再び堤を造り始めたが、またもや完成間近に崩れさり、その晩に行方不明になったお百姓の一人娘が、竹島潟の中島で死んでいたのが見つかった。

その後も、この竹島潟の近くでは変事が続いた。中島へ竹を刈りに行った人が、大小無数の蛇がトグロを巻いているのを見て、家に帰るとすぐに卒倒しその晩のうちに息絶えた。また、鴨猟で竹島潟に来た猟師の犬が、突然吠え出し中島に渡り、奇声を上げるとそのまま消えてしまった。

人々は、それらはみな大蛇の祟りであると信じ恐れ、それからは竹島潟を殺生禁断の沼としたと伝える。