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秋田県にかほ市象潟町一丁目塩越

震災前取材

 

この地の熊野神社は、文治2年(1186)に紀伊国で飢饉による騒動があったとき、熊野三山の別当の孫にあたる大円坊が熊野山から分霊を奉じ、海路象潟にいたり祀ったのが始まりと伝えられる。

松尾芭蕉が象潟を訪れた6月16日(陽暦8月1日)は、たまたまこの神社の祭りだった。このため宿が女客でいっぱいだった為に宿泊場所を変えたことが記されている。この祭りに関して、曾良が一句残している。

象潟や 料理何くふ 神祭  …曾良

 

慶応4年(1868)、戊辰戦争の際、秋田藩士荒川久太郎は100人の遊撃隊を組織して、新政府軍に参加した。遊撃隊は庄内征伐の命を受け三崎口に進軍したが、その途中この地で作法に則り、各自髪を切り額に収め、武運長久を祈願し出陣したという。