2013/04/27

昨日は浪岡の道の駅にお世話になり、日が昇ってから目を覚まし、昨夜のうちに用意したコンビニ弁当を食べながら、この日のルートをチェックした。前に浪岡を訪れた際には、浪岡城址を中心に回ったが、予定箇所を回りきれず、北畠氏関連の遺跡や長慶天皇関連の伝説の地などを訪れることは出来なかった。まずは浪岡の地の北畠氏関連遺跡を回るつもりだった。

津軽の浪岡で「浪岡御所」と称された浪岡北畠氏は、奥羽南朝方の中心人物として活躍した北畠顕家の後裔と伝えられる。奥羽の中世の歴史を語るうえでは、北畠氏の事績を抜きにして語ることはできない。特に北奥羽では、南朝方の雄である南部氏との関りはもちろん、平泉時代からの安東氏や十三氏、蠣崎氏などが綾取りの糸のように絡まり戦国末期までの歴史が流れていくことになる。

一説によると、この浪岡(行岡)の地には、平泉の藤原秀衡の末子頼衡が、逃れ住んでおり、その曾孫の秀種が北畠顕家に仕え、娘が顕成を生んだとされている。また、顕成の娘は、十三湊安東太郎貞季の妻になったといわれ、安東貞季が、浪岡に入部した顕成父子を迎えたとされる。

浪岡に入部した北畠氏は、15世紀後半の頃、顕義の代に浪岡城を築き、そこを本拠として勢力の拡大につとめた。浪岡北畠氏は、奥羽の有力武将としてあったが、同時に公家社会の一員としても考えられており、その居館は御所と敬称され、浪岡城は浪岡御所とも呼ばれ、その権威は一目置かれていた。また、下北には護良親王の皇子の良尹(ながただ)王とそれを補佐する蠣崎氏がおり、同じ南朝方として、連絡は取り合っていたものと考えられる。また津軽半島には藤原秀衡の弟藤原秀栄の流れの十三氏が一定の勢力を有しており、それなりに連携していたものと思われる。

北畠氏は、南部氏と良好な関係を保ち、津軽の北部と東部、南部の山沿いにかけて、郡中のおよそ半分を支配し、また朝廷との関係も保ち、六代具永の時代には、左中将の官位をも得て、御所と呼ばれていたようだ。

しかし、結局、諸勢力を糾合し、大勢力を築くことはできず、天正6年(1578)、津軽統一を目指す大浦為信により浪岡に侵攻され、北畠氏は一気に壊滅した。一族は南部氏や安藤氏を頼り命脈を保ったものの、南北朝期以来の名族の北畠氏は、実質的に滅亡した。

浪岡城創建時に、吉野天皇御物などを収めたと伝えられる浪岡八幡宮を皮切りに、浪岡周辺の未収録地をすべて回るつもりだった。

以前、浪岡城址を訪れた際には気づかなかったのだが、浪岡城址碑のすぐ横に、長慶上皇の中宮とされる菊代姫の墓があった。南朝三代目の長慶天皇が、皇太子の時期まで含め、この南朝最後の雄の北畠氏の地に、なんらかの関わりを持ったことは十分に考えられることだ。

一説には、菊代姫(菊理姫)は、伊勢北畠氏の祖である北畠顕能の長女であると伝えられ、長慶上皇に従った新田氏一族の新田宗興の養女だったと云う。菊代姫は皇妃として、津軽の地まで上皇に付き従ったといわれている。この「菊代姫の墓」も伝承であり、史跡に指定されているものではない。そのたたずまいも、小さな円墳上に祠があるだけのものでわびしいものだが、この地の人々は数百年もの長きにわたって、その「史跡」を保存し、伝説を今に繋いでいる。

またこの地の近くの西光院境内には、長慶天皇皇子の寛光親王の墓と伝えられる五輪塔がある。寛光親王は、長慶天皇と北畠守親の娘との間に生まれた皇子と伝えられ、その称号は、一品式部卿征東大将軍で、この浪岡の地で崩御したとされる。

その後も、北畠氏はこの地で、南朝の命脈を保っていたが、この地で、権威のみで諸勢力を糾合することもかなわず、家中争いも絶えず、戦国大名になりきることもできず、この地で滅亡した。その北畠氏累代の墓を訪ね、奥羽の地の歴史の大きな位置を占めてきた北畠氏の墓に、最大の敬意を払い手を合わせた。

浪岡の地で、他にも数か所まわっているうちに、すでに午後二時をまわっていた。長慶天皇の陵墓をはじめとした伝説の地が、弘前にも数か所あり、その他の未収録地も多くあり、この日だけで回り終えることはできないだろう。またこの日は、仕事の延長上で回っており、すでに仙台を出てから8日目で、だいぶ疲れも出ており、帰路につくことにした。

青森から仙台はいかにも遠く、途中、七戸町、志波町、花巻市周辺の未収録地に立ち寄りながら仙台まで戻ることとした。

One thought on “みちのく雲水流浪、津軽路春日和、長慶天皇、北畠氏伝説の浪岡、青森県青森市、2013/04/27”

  1. 北畠の残した神社を結び研究したところ、ある地点に集合してしまいました。
    長慶天皇の墓ではないかと思うのです。他に菊代姫の祠から八幡宮の脇 約百メートルだけに見える八甲田山の大岳は何を示しているか奇怪な現象です。

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