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青森県弘前市大字新町

2013/08/20取材


誓願寺は、慶長元年(1596)平川大光寺に創立されたが、弘前城築城に際し現在地に移されたと云う。その後、寺は数度の火災に遭ったが、幸いこの山門は災禍を免れている。

この山門は、京都の誓願寺を模して、江戸中期に建立されたと推定されている。しかし、下層の蟇股などの形式は室町期のものとも見られ、旧大光寺村から移されたものという伝承も否定できない。現在の姿は、江戸時代中期に大きな改造を受けた結果とも考えられる。

門は全体に彩色されており、上層の四周板壁には十二支の動物の絵が描かれている。正面中央に高く切妻造の破風を表し、下方左右に片流れの招破風を持つほか、懸魚を鶴と亀の形に作る極めて珍しい形式である。このため「鶴亀門」ともよばれている。