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青森県青森市荒川南荒川山

2014/08/23取材

 

酸ヶ湯温泉は、貞享元年(1684)、現在の青森市横内に住む狩人が鹿をしとめそこない、手負いの鹿を追って山へ入った。それから3日後にその鹿を発見したが、傷を負っていたはずの鹿が、あっという間に岩山を駆け上がり逃げ去ってしまった。

傷を受けていたはずの鹿のその俊敏さを不思議に思い、付近を探索したところ温泉が湧いているのを見つけた。その後、その温泉に薬効があることを知り「鹿の湯」と名づけ利用した。

泉質は酸性硫黄泉であることもあり、また東北地方の訛りもあり、「しかのゆ」がいつしか「すかのゆ」「酸ヶ湯」になったと云われている。

江戸期より湯治客が多く、現在の大浴場の周辺に数ヶ所お湯が湧き出しており、地元の者がそこに小さな小屋を建て、山菜取り人や狩人らに温泉を開放していた。

そういった小屋主(湯主)らが協力して組合を設立したのが現在の「酸ヶ湯」の原形となった。最初は湯治棟しかなかったが、その後旅館等も併設し現在に至っている。

酸ヶ湯温泉は、その効能と豊富な湯量、広大な収容施設、低廉な料金等が認められ、昭和29年(1954)、数ある全国温泉のモデルケースとして「国民保養温泉地第1号」の指定を受けている。