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青森県南津軽郡大鰐町大字大鰐

2015/08/26取材

 

文禄2年(1593)に、津軽藩初代藩主津軽為信が、難治の眼病にかかり、大鰐に涌く温泉で目を洗えば治るという、薬師如来のお告げを夢にみて、大石の下から涌き出る熱湯を発見したと伝えられる。

明治28年(1895)に奥羽本線大鰐駅が開業したことから、温泉場は大勢の湯治客で賑わうようになった。また花街も栄え、全盛期は芸妓、酌婦ともに、当時としてはかなりの数に及んだと云う。近隣の市町村を凌ぐ一流割烹やカフェーが軒を連ね、人力車はひっきりなしに往来していた。

戦後も温泉街は、米や林檎の買い付け客で賑わった。しかしそのため温泉の乱掘が起きて沸出量が一時減少した。現在は数多くあった泉源を統合し、厳重な管理のもとで配湯が行われている。

現在は、娯楽の多様化や医療の発展からか、温泉の娯楽性や湯治の魅力が薄れ、かつての勢いはないが、春の桜や、冬のスキーとのコラボレーションで、温泉好きには魅力的な地であることには変わりはない。