青森県八戸市新井田寺ノ上(対泉院境内)

 

対泉院の境内には小さな池があり、この池には古代ハスの大賀ハスが植えられている。

戦時中に東京都は燃料不足を補うため、千葉県の花見川下流の湿地帯に、豊富な草炭が埋蔵されていることに着目し草炭を採掘していた。採掘は戦後も継続して行われていたが、昭和22年(1947)、採掘現場で、丸木舟と櫂が発掘され、その後の調査で、もう2隻の丸木舟とハスの果托などが発掘され、「縄文時代の船だまり」であったと推測され落合遺跡と名づけられた。

植物学者でハスの権威者でもある大賀一郎は、この発掘品の中にハスの果托があることを知り、昭和26年(1951)、この遺跡の発掘調査を行い、地下約6mの泥炭層から計3粒のハスの実が発掘された。

大賀は、この3粒のハスの実の発芽育成を試み、2粒は失敗に終わったが1粒は育ち、翌年の昭和27年(1952)7月、ピンク色の大輪の花を咲かせた。このニュースは「世界最古の花・生命の復活」として国内外に報道され、「大賀ハス」と命名され、その後の調べで、約2000年前の弥生時代以前のものであると推定された。

この大賀ハスの発掘は、当時印旛沼干拓工事を行っていた会社の八戸出身者の穂積社長や付近の第七中学校の生徒らの協力により進められた。発掘は難航したが、穂積社長の「このせせこましい世の中で、夢を掘るのもいいじゃないか」の一言で続行されたという。

この八戸関係者の縁から、昭和44年(1969)、この古代ハスは八戸にも移植された。

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