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青森県十和田市相坂字白上

2013/10/08取材

 

白上の湧水は、水量が非常に多く、古くから地域住民の貴重な生活用水として広く利用され、以前には酒造りの水としても利用されていた。

この地では縄文土器や石器などが出土し、また蝦夷館の竪穴住居跡などがあることが知られており、古くからこの地を中心に、先住民が住んでいたと思われる。

近くの白上稲荷神社には三湖伝説の「八ノ太郎」が投げたと言われる大石があり、白上とは、アイヌ語の「しらうい=大きな石のあるところ」であり、また「しらおい=魚がたくさんいるところ」という意味と通じるところがあり、それらが地名の源と考えられている。

明治34年(1901)、青森県は相坂川の鮭鱒の遡上が年々減少していることから、この地に、水産試験場相坂鮭鱒人工孵化場を設立した。孵化場には豊富な水量と、清澄で水温が一定していることが必要とされ、白上の湧水はこれらの条件に適していた。

大正5年(1916)から、ニジマス種卵供給地として大きな成果をあげ、「相坂孵化場」として全国的に有名になった。