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青森県十和田市

2013/06/10取材

 

十和田火山の噴火で形成された二重カルデラ湖。南岸に御倉山のある東側半島部と西側の中山半島が突き出ており、胡桃を半分にした形をしている。

この二つの半島部に挟まれた中湖部が最も深く327mで日本第三位である。東湖、西湖の水深は50~100mほどである。

大きな噴火は、5万5000年前、2万5000年前、1万3000年前に起こったと考えられている。十和田湖の原型は、約3万~2万5000年前の十和田火山の大噴火と陥没によってできたと考えられている。東湖や西湖はこの第一カルデラの一部である。1万3000年前の噴火の火砕流は青森市付近まで到達している。

約1万年前には、十和田カルデラの東南部が噴火し、カルデラ内部に五色岩火山が形成された。五色岩火山は溶岩の噴出で山体を成長させ、それに伴い爆発的噴火が多発し火口を拡大していった。そして、5400年前の噴火で火口壁が崩壊し第一カルデラの湖水が火口に流入した。これにより中湖ができたと考えられている。

延喜15年(915)、十和田火山は大噴火を起こした。このとき毛馬内火砕流が周囲20kmを焼払った。この噴火は過去2000年間、日本国内で起きた最大規模の噴火であったと見られる。この噴火の火山灰は東北地方一帯を広く覆い、甚大な被害をもたらしたと推定される。

十和田火山の噴出物は、やませによって西に流され、噴出物は米代川流域を覆い尽くし大災害をもたらした。この災害の記憶が、十和田湖から田沢湖、米代川流域、八郎潟にまたがる三湖伝説として残ったと考えられている。

「十和田湖および奥入瀬渓流」は、特別名勝及び天然記念物に指定されており、(1936)、周辺の奥入瀬渓流、八甲田火山群と共に十和田八幡平国立公園に指定された。

紀行文作家大町桂月は、この湖の美しさについて、「山は富士、湖は十和田湖、広い世界に一つずつ」と評している。

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