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青森県黒石市字袋

2012/11/03取材

この神社は、黒石温泉の南外れの山懐に、温泉街を見下ろすように鎮座している。神社ではあるが、「袋の観音様」と呼ばれ、うま年産まれの一代守護神として、この地の信仰を集めている。

延暦年間(728~806)、坂上田村麻呂が東夷東征の際、この地に陣を張り勢至観音を袋に入れ、大木の枝にかけ武運長久を祈願したところ見事念願成就した。白山姫神社(袋の観音)の創建は、後に感謝の意を示し堂宇を建立し、観音様を祀り、国家安泰、民豊楽を祈ったことに始まると伝えられる

文明年間(1469~87)、南部光政が再建し浅瀬石領内十七社に加えられ、元亀2年(1571)、この地の領主の千徳大和守政氏が社殿を改築し、当時は領内の大社として殷賑を極めた。

しかし、慶長2年(1597)、浅瀬石城は津軽為信に攻められ落城し、その後は荒廃したが、寛永4年(1627)、袋村の住民等が産土神として再興し、袋の観音堂と称せられた。江戸時代中期には、津軽三十三霊場の二十七番札所となり信仰を集めた。

明治に入ってからの神仏分離令により、仏式が廃され改めて白山姫神社と改称され今日に至っている。