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青森県黒石市字甲徳兵衛町

2012/11/03取材

この建物は、黒石市消防団第三分団第三消防屯所として使われていたもので、県の重宝に指定されている。

大正13年(1924)に建築された望楼付き木造2階建ての洋風デザインを取り入れた屯所で、建築当時は、一階に蒸気ポンプを配置し、二階前方にはバルコニーが設けられていた。昭和3年(1928)に、ノーザン式消防自動車が配備され、一階部分を増築したためにバルコニーは取り外された。

二階部分前方に、一間×一間の望楼を三段載せており、全体として五階建て(約13.68m)になっている。現在のように電話での通報手段が無い当時は、遠方を見渡す火の見やぐらが、火災の早期発見などに、大きな役割を果たしていた。

一階には、駐車スペースのほか、器具置場や8畳和室、流し台、洗面所を配置、和室には、囲炉裏が設けられ、団員たちの休憩や懇談の場となっていた。二階は、18畳間と12畳間の部屋が縦列に並べられ、かつては結婚式や各種地域の会合などが行なわれたほか、現在の集会所の役割も兼ねていた。