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青森県黒石市字中町

2012/11/03取材

こみせ通りとは、『日本の道百選』にも選ばれた、伝統的建造物が残る黒石市中町の通りを指す。「こみせ」とは、黒石藩政時代から今に残る木造のアーケード状の通路である。

現在、まとまった形で残されているのは全国的にも類例がないといわれ、こみせ通りは、国の重要文化財の「高橋家」をはじめ、造り酒屋、住家などの「こみせ」が連なる町並みを形成している。

津軽信英(のぶふさ)は、津軽藩から黒石を分知され、黒石陣屋を築いた。このとき、陣屋を取り囲むように侍町を配し、その外側に町家を配し、町の入り口に柵を立て、要所には寺社を配置し、黒石の町並みを形成した。

町並みが整うと、多くの旅人は上ノ坂を通り黒石に入り、前町、中町、浜町を通って青森外ヶ浜へ向かった。道すじにあたる中町、前町は、浜街道と呼ばれ商人町として栄えた。中町には、造酒屋、しょう油屋、みそ屋、米屋、呉服屋などの商店が、前町には、旅籠が数軒立ち並んでいたと言われ、中町は黒石の中心商店街として栄えた。

中町地区を中心に「こみせ」が作られたのは、この津軽信英の町割りからと伝えられ、当時弘前にはすでに「こみせ」が存在し、信英はこれにならって黒石の商人町にこみせを作らせたものと思われる。