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青森県青森市大字駒込

2013/08/21取材

田代平湿原は、八甲田山の北東、十和田八幡平国立公園の北端に位置する高層湿原である。青森市の天然記念物に指定されている。

この湿原は、約200万年前の八甲田山の火山活動によってできたカルデラ湖が湿原化したもので、湿原の多い八甲田山系の中でも最大の面積をもつ。この湿原は植物が枯死しても、冷涼な気候のために完全に分解せず、有機物の状態で堆積する泥炭層となっている。

湿原内の遊歩道には木道が整備されており、1周およそ1時間程度である。6月中旬にはワタスゲの穂が満開となり、6月下旬にはニッコウキスゲ、7月にはキンコウカ、カキラン、モウセンゴケ、ムラサキミミカキグサ、タヌキモ、タチギボウシ、ネジバナ、ヨツバヒヨドリ、ホソバノシナバ、ネバリノギランなども観察することができる。8月下旬にはウメバチソウ、サワギキョウ、ナガボノシロワレモコウなどが咲き、タチアザミが咲く頃には秋の気配が漂ってくる。湿原の端には、風雪に耐えた古い鳥居が立つ龍神沼があり、水底から伸びる水草を揺らしている。