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秋田県湯沢市小野別水林
震災前取材
小野小町は平安時代の歌人の1人で、六歌仙、三十六歌仙の1人に数えられている。また容姿端麗で、日本の美人の代表的な存在である。
花の色は うつりにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに
小野小町伝説は、全国いたるところにあり、特に地名が「小野」の地に多く残る。この湯沢市小野の地は、小町の生誕、及び終焉の地とされ、周辺には多くの小野小町の伝承や伝説の地が密集している。
小町は、都から自分を思い、出羽に下った深草少将が不幸にも没すると、深い悲しみに暮れ、少将を手厚く葬ると、その後は世を避けて暮らすようになった。
小町は、いつ頃からか、父の小野良実が建立した小野寺の奥の、この岩屋堂に住むようになった。小町はここで香をたきながら、一人自像を刻み、昌泰3年(900)、92歳でその生涯を閉じたと云う。
岩屋堂の途中には、小野寺の跡があり、また小町が沐浴をしたという二ツ滝もある。岩屋は広さ20畳程で、入り口の前に立つと、眼下には深草少将の館があった長鮮沢をはじめ小野の里が一望できる。