北朝鮮では、ペットを飼うのは「ブルジョア思想に染まった行為」で、「資本主義要素の一部分」なんだって。

——北朝鮮の内部事情に詳しい消息筋は2日、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が今年7月、国が困難な状況にあるにもかかわらず、平壌市民の間でペットが飼われていることについて「ブルジョア思想に染まった行為、資本主義要素の一部分」として「ペット禁止令」を下したと伝えた。
——「金正恩氏の一言で、最近平壌では人民班ごとにペットを飼っている家を全て把握し、自分から差し出させるか、強制的に取り上げて処分している」「ペットの一部は中央動物園に送られ、一部はタンコギ店(補身湯=犬肉の鍋料理店)に売られたり、食べられたりしている」と伝えた。——(朝鮮日報)

なんか昔、中核だったか革マルだったかの学生が、そんな話をしていたような気がするよ。その中で、1週間分以上の生活必需品以外の物を持っているのは「ブルジョア」なんだって。ペットなんかとんでもで、非常用食料としてだったらいい、とかって言ってたよ。

北朝鮮で、ペットなんか飼えるのは、平壌の既得権益を持っている中流階級だけだろうけど、もしかしてこれは、コロナ禍と飢餓にあえぐ、平壌以外の貧民対策なのかな。取り上げたペットを、貧民に食料で配るとかってことなんだろうか。おーやだやだ。

でもね、北朝鮮で「ブルジョア」って言ったら、なんと言っても、金正恩将軍様でしょうが。喜び組をはべらせて、フランス産だかスイス産だかのワインをがぶ飲みし、飽食の限りをつくしてるんだよね。

なんか、この話って、かつての「苦難の行軍」時代以上に、北朝鮮全土に飢餓が広がっているということなのかもしれないね。確かに、配給もなく、中国ルートもコロナで閉じられ、商売もできず、食い物もなく、肺炎が広がり、手当も受けられず訳も分からない中で、ばたばた死んでいってるのかもね。そんな中で、平壌の「貴族」たちが、ペットを飼ってたりすれば腹が立つかもね。

もしかするとこのニュースは、北朝鮮国民が暴発寸前であるということなのかもしれないね。ただね、こんなことやってみても、北の貧民たちの腹の足しにはいくらもなるわけではなし、平壌の「貴族」たちにも不満が拡大するだけだと思うよ。

——犬を飼う平壌市民の間では金正恩氏に対する認識が悪化しているという。「容赦のないペット処理のやり方に、平壌の飼い主たちは泣き叫びながら金正恩氏の悪口を言っている」「動物にも感情があるのに、金正恩氏は感情もないといった批判が出ている」
——一般住民はマンションのベランダで豚や家畜を飼っているが、高位層や金持ちがペットを飼うことはぜいたくと認識され、不満の声が出ていた。
——北朝鮮は犬肉をタンコギと呼び、民族飲食・国宝級飲食として自慢している。——(朝鮮日報)

要するに、犬を食用として飼うなら「ブルジョア」ではなく、愛する対象のペットとして飼うのは、「共産主義の理念に反する」と言うことなんだね。そう言えば、金正恩は、韓国のムンジェイン大統領に、犬を贈ったよな。あれは非常食として贈ったのかな。

以前見たテレビ番組で、ホームレスの人が、橋の下の段ボールハウスで、野良猫と一緒に生活していたんだけど、あの人だって、その猫を「猫鍋」にされて食われたら怒るよな。

金正恩、自分はたらふく目一杯贅沢三昧をし、国民を餓死寸前に追い詰めて、平壌のペットを飼ってる「貴族」を「ブルジョア」とかって、なんか違うと思うよ。

自分の「喜び組ペット」に、高級ブラジャーとか買ってやったりせずに、核開発なんかの火遊びもやめて、飢餓に苦しむ国民が、ペットを飼えるような暮らしができるようにすることが大事なんだと思うけど。間違ってもオソロシアのプーさんペットの秋田犬「ユメ」や、ザギトワ選手ペットの「マサル」を、「犬鍋」なんかにしないようにね。朝鮮半島なくなるかも。