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山形県鶴岡市上名川

2012/09/05取材

 

湯殿川と梵字川が合流するところに、高さ約6m、幅約10mの巨大な岩がある。この地域には、弘法大師にちなんだ伝説が多く残されているが。この岩については、次のような伝説が伝えられている。

昔、諸国修行の途中、酒田に立ち寄った弘法大師が、酒田湊に流れ込む川のほとりに立っていると、フキの葉がたくさん流れて来るのに気がついた。その葉の下から光がさしており、大師は不思議に思ってフキの葉を取ってみると、大日如来の梵字が隠されていた。

そこで、この川をさかのぼって行けば、大日如来がおられるに違いないと思い、是非とも礼拝したいものだと考え、フキの葉をたよりに進んだ。

その途中、大師がこの地に差しかかると、川は湯殿川と梵字川に別れており、どちらに行けばよいか分からなくなってしまった。大師はこの岩に上って祈りをささげていると、左の川から流れて来る梵字を見つけることができ、大日如来の霊場の湯殿山にたどりつくことができたと伝えられる。

このことから、後にこの岩は「弘法物見岩」と呼ばれるようになった。

この地に月山ダムができたために、ダムの水位が高い時期には見えないが、水位が低い夏場などには見ることができる。