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山形県小国町沼沢

2013/10/04取材

 

山形県米沢から小国を経て、新潟県境の玉川に至る道路建設が明治13年(1880)着工し、開通が明治19年(1886)開通した。この地は、明沢川の深い峡谷になっており、垂直に近い岩場を削っての工事となった。片洞門とは、岩盤を半トンネルのようなアーケード状にくりぬき通路としたもの。工事は難渋し、特にこの辺が難所であったため、工事の無事を祈り観世音を祀った。

この道は、かつてはバスやトラックも通っていたが、昭和8年(1933)の秋、この地で枕木を積んだ飯豊町の山形屋のトラックが転落した時、崖の途中のケヤキの木にかかり、枕木は流されたが運転手と助手は怪我もなく助かり、車も破損もせずに引き上げられた。山形屋は、これは観音様のご利益であるとし、交通安全を祈願し菩薩像を安置したという。

昭和28年(1953)に国道113号となったが、交通量の増加に対応しきれず、昭和34年(1959)新国道が建設されその役割を終えた。 現在この道は、小国町が管理する遊歩道となっている。