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宮城県美里町中埣夘時

震災前取材

美里町の卯時堰から流れ出る川を美女川という。

昔、卯時堰の付近に安部屋敷と称するところがありここにはマダの大木があった。またその近くに津田屋敷と称するところがあり、そこにはモミの大木があった。

夜になると時折、安部屋敷のマダの大木に美女が現れ、白糸を津田屋敷のモミの木に張り機織りをしていることがあった。この美女を見たものは必ず病気になった。この美女は、卯時堰下に棲む川の主であったと言われ、だれ言うともなく、この川を美女川と呼ぶようになった。

 

この美女姫にはもう一つの伝説があり、この美女姫は源平の戦いで敗れた平家の姫で、この地まで落ち延びてきたが、病を得てこの地で没したと云う。

この「美女姫」と、川の主の「美女姫」とが関わりがあるのかどうかは定かではない。