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宮城県仙台市太白区門前町…福聚院

  太白区門前町の福聚院境内にある穴薬師は、もと大年寺少林院の薬師堂にまつられていた。しかし、明治にはいって堂字が荒廃したために、大正6年(1917)、現在地に移された。この穴薬師は、耳や鼻や目に悩む人の信仰を多く集めている。 この穴薬師には、下のような言い伝えがある。 昔、穴薬師様は根岸の町の人々の篤い信仰を集めていた。この薬師様の前を通るときは、誰でも必ず拝んでから通っていた。ある日、大年寺の馬坂を家来に馬を引かせた侍が薬師様の前を通り過ぎようとした。家来は、馬から下りて一礼してから通ったほうが良いと注意したが、侍は全く聞く耳を持たず、馬に乗ったまま通り過ぎようとした。すると、突然馬が暴れだし、侍は馬から振り落とされてしまった。侍は、腹を立て、薬師様をお堂から取り出して、大木の根本に穴を掘って埋めてしまった。 侍が足を引きずりながら立ち去ると、村人達は薬師様を穴から掘り出し、もとのお堂に安置しみんなで手を合わせて拝んだ。それからというものは、薬師様はますます信仰を集めるようになり、「穴薬師様」と呼ばれるようになった。