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宮城県栗原市志波姫八樟新田

震災前取材


志波姫神社は、神亀天平年間(724~49)に創建されたと伝えられ、延暦年間(796~801)には、坂上田村麻呂が東征の際に、武運長久と五穀豊穣を祈願したと伝えられる。

社は、もとは伊豆野権現社と称し、築館町裏に鎮座していたが、正保年間(1644~48)火災にあい、社殿の全てが烏有に帰した。その後は再建されることなく、大権現の石宮を祀るだけだった。

寛永16年(1639)、仙台藩二代藩主伊達忠宗は、家臣の古内主膳重広に伊豆野原の野谷地を与え、その開拓を命じた。古内重広は、土木技術者の川村孫兵衛元吉に開拓工事の設計を依頼し、正保元年(1644)工事に着手した。

3年の難工事の末に伊豆野堰が完成し、これにより伊豆野原の開拓は成功し、古内重広は明暦3年(1658)、この地に社殿を造営し、水下十五ヶ村の守護神として伊豆野権現社を遷座し志波姫神社とした。