岩手県陸前高田市気仙町字中井

震災前取材

 

 

 

 

浜街道とは、古くから水戸街道の延長である岩沼までを呼ぶ。しかしその延長に、さらに石巻から柳津、志津川、歌津、津谷を通って気仙沼に至り、鹿折から綱木坂、松の坂を越え気仙町今泉に達し、気仙街道、あるいは今泉街道と呼ばれた。

さらに今泉から高田、通岡峠、田茂山(現盛町)を経て、越喜来、吉浜、小白浜を抜け釜石に至る道中も、この地では「浜街道」と呼ばれていた。柳津以北は現国道45号とほぼ重なり、幕府の巡検使や藩主巡検にも一部利用されていた。

この地は、古くから浜街道、気仙街道、世田米街道が集まる交通の要衝として栄え、この今泉宿と高田宿の二つの宿場は明治末期まで続いた。

この地には、陸前高田を代表する「八木澤商店」の土蔵造り商家をはじめとして、白壁の土蔵街や江戸期より大肝入を勤めた茅葺き屋敷の吉田家住宅など、古い町並みが多く残っている。

 

※町並みは、2011年3月の大地震と大津波により、全て失われた。