岩手県山田町船越

2013/10/06取材

 

別名:船越大島

船越半島の南端に位置し、周囲凡そ2kmほどの無人島であり、タブの木が自生する北限地である。

タブの木は、温暖な海岸地帯に自生する亜熱帯植物のクスノキ科の常緑樹であり、暖かい黒潮の影響で温暖であり密生している。またこのクスノキ科の葉のみを植生とするアオスジアゲハの繁殖地でもある。また島の東部には、荒々しい親潮の波で花崗岩が削られてできた海蝕棚の千畳敷が連なり、ウミツバメ類の繁殖地としても知られている。陸中海岸随一の海水の透明度と美しさを誇り侵食され続ける海食棚や岩場には可憐な花が咲く。昭和29年(1954)に、岩手県天然記念物として指定されている。

島には神社があり、島の砂浜や海は古くから神聖な場所として祀られてきた。また昭和40年代頃は、この島に国民宿舎「タブの木莊」があり船で渡ることができたが、現在は廃されており、現在は地元の方が神社に訪れるか、調査グループがチャーター船で渡るだけである。