岩手県平泉町平泉字鬘石
震災前取材
この地の近くの達谷窟に砦を築いていた悪路王らは、時折、京の都まで出て悪事を働いていた。あるとき、京の都から姫君をさらって来て、窟上流の「籠姫」に閉じ込めていた。
この姫が、あるとき逃げ出したが、近くの姫待滝で待ち伏せされ捕らえられた。このとき姫は、再び逃げ出さないようにと、黒髪を切られ、この石に掛けられたと伝えられる。
その後この姫君を助けだそうと、仲光・季春という剛勇で知られる二人が都から遣わされ、二人は桜の花見で悪路王が酔いつぶれたところを見計らって、姫を助け出し、京へ連れ帰ったと云う。