震災前取材

岩手県住田町上有住字山脈地

 

蔵王洞窟は、国道107号線のすぐ傍らにあり、気をつけて通らなければ見落としてしまう。

縄文時代早期(6、7千年前)~晩期(2、3千年前)までの古代先住民族の住居跡。

大正11年(1922)からの調査で、人骨、土器、石器片、獣骨などが採集され、縄文早期より晩期にかけて利用された横穴式住居跡と確認された。昭和42年(1967)の発掘調査では、奥深くに副室を発見し、新たな土器片、石器、獣骨、貝殻が発掘採集された。

土器は尖頭底土器をはじめ、独特の「蔵王紋」があり、この洞窟に居住していた先住民族は、「蔵王文化」の中心をなしていたと考えられる。