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福島県福島市上名倉

 

この地を流れる阿武隈川の支流荒川には、江戸時代からの霞堤と水防林が今もなお残され、現役で利用されているものも多い。

荒川は、吾妻連峰の鳥子平に源を発し、一切経山や東吾妻山、鉄山といった福島盆地西側の山々を水源とする支流を合わせ、阿武隈川に合流する。全長30kmの間に、吾妻連邦から一気に駆け下る急流のため、その名の通り暴れ川として有名で、何度となく氾濫を起こし、流域に住む人々を苦しめていた。

そのため、この地には古くから堤防や堰堤が築かれ、江戸時代の「霞堤」もその内の一つ。霞堤は、戦国時代の武田信玄が考案したとされ、洪水時に、意図的に水を逃がすように、隙間をあけて断続的に築造され、隙間からあふれ出た水は、水防林でその勢いを弱め、再び川に戻すような構造となっている。

平成20年(2008)、この地の第一堰堤他15基が、「国土の歴史的景観に寄与している」治山治水施設として国の登録有形文化財に登録された。