福島県田村市船引町堀越字明神前

2015/03/23取材

田村郡の船引町から三春町にかけての磐城街道沿いには、この地で「オニンギョウサマ」と呼ばれる、巨大な人形の神像を祀り、それを毎年作り替える習俗がある。現在は、船引町屋形、朴橋、とこの堀越の三地区に残っており、他は廃絶してしまった。

いずれのお人形様も、4mもの高さの骨組みの柱に木製の異形の面をかけ、杉の葉を用いて頭髪や髭をかたどり、藁で編んだ衣をかぶせて、両手には武器を持っている。

これらのオニンギョウサマは、外から入り込む疫病などを防ぐ目的で、集落の家々や街道を見渡せる場所に祀っている。

堀越のお人形様は、大飢饉の影響などで、明治40年(1907)に、一旦断絶していたものを、平成4年(1992)に、この明石神社入口に復元された。この間、大事に保存されていた面は、他地区のそれよりも古いもので、江戸時代に作られたものと考えられている。