福島県二本松市渋川字清水

2012/07/04取材

 

寿福院は二面二間、宝形造りの小堂で、大日如来座像が安置されている。正徳5年(1715)月照海上人の誓願により造立された。

上人は九州地方の出身で、若くして仏門に入り、諸国を巡錫しながら北へ北へ向かい、奥州の霊場出羽湯殿山に参籠して奥義を極めた。その後寿福院に籠居してなお、木喰の苦行を続け数多くの奇法妙術を行った。

この噂は瞬く間に広まり、時の相馬藩主の耳に届き、上人を城へ招いた。上人は病める人を治し、悩める人を癒し、多くの効験をあらわした。

相馬藩主はその報謝として、金剛界、胎蔵界大日如来尊像一対を与えた。上人は、帰路の途中の川俣村に金剛界像を安置し、この地には胎蔵界像を安置した。