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福島県北塩原村桧原

2014/10/31取材

 

五色沼は、正式には五色沼湖沼群とよばれ、毘沙門沼、赤沼、みどろ沼、弁天沼、瑠璃沼、青沼など、桧原湖南側に点在する、大小30余りの湖沼からなる。

この湖沼群は、桧原湖などのこの地域の湖と同様、明治21年(1888)の、磐梯山噴火の際に生じた岩なだれによるせき止めで生まれた。

磐梯山は、数万年前から幾度となく噴火を繰り返してきた。このときの噴火は、溶岩はほとんど流れ出さない水蒸気爆発で、大規模な山体崩壊を伴うものだった。高圧の水蒸気が、小磐梯と呼ばれた峰を吹き飛ばし、同時に北側の山腹を大きく崩壊させた。

この地の沼の多くは、磐梯山の火口付近にある銅沼に端を発する地下水を水源としている。このため、火山活動によって生じる硫化水素が多量に溶け込んでおり、水質は酸性となっている沼がいくつかある。しかし、桧原湖からの水や、磐梯山の深層地下水などが混入している湖沼もあり、沼ごとに異なる多様な水質となっている。

この水質や生育植物の違いにより、それぞれの沼がそれぞれの特徴を持っている。るり沼、青沼、弁天沼は、酸性が強い銅沼系で、水の色は青く透明度が高く、湖底にウカミカマゴケなどのコケ類のマットが発達している。

残りの湖沼は五色沼系と呼ばれ、生育する水草の種類により、赤沼グループ、みどろ沼グループ、柳沼グループに分けられている。