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秋田県横手市金沢本町根小屋

2015/09/15取材

 

桂徳寺は真宗大谷派の寺院で、慶長11年(1606)に開基された。

本尊は木造阿弥陀如来坐像で、秋田県の有形文化財に指定されている。

像高63cmで、杉材の一木造で、両腕部と脚部を木寄せしている。蓮台は高さが13cmで、像とは材質が異なり、後世の作と考えられる。

この像は、かつて灌仏が行われていたため全体が磨滅しているが、木肌がよく現れ、表情は柔和で衣文の彫り方も穏やかである。像全体が黒いことから「黒仏」と呼ばれている。

この像は、平安時代にこの地を支配していた清原氏の居館の金沢柵の阿弥陀堂に安置されていたものと伝えられる。

後三年の役の際の寛治元年(1087)、源義家と清原清衡の軍は、清原家衡の籠る金沢柵を攻めた。義家と清衡の連合軍は、兵糧攻めを行い、その年の12月、糧食の尽きた家衡、武衡軍は金沢柵に火を付けて敗走した。

この時、阿弥陀堂は炎上したが、この像は厨川に落ちて焼失をまぬがれた。戦乱が収まった後に、川の中から掘り起こされ、この地に堂舎を再建し納められたと伝えられる。