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秋田県湯沢市岩崎

震災前取材

 

昔から皆瀬川は降雨のたびに増水し、周辺に被害を及ぼし、また水路や堰が崩壊した後は水不足となり、村人たちは困り果てていた。

そこで、この地一帯の領主らの家臣が、この地の岩崎城内で談合し、サカリ淵の竜神に祈願をした。すると霊験著しく増水による被害もなくなり、村人たちからも崇敬されるようになり、また岩崎城主も社殿を建立し篤く敬った。

この岩崎城主河内守道高には能恵姫という美しい姫がいたが、16歳のときに、川連城主の道基に嫁ぐことになった。やがて婚礼の日になり、行列が城を出て皆瀬川のサカリ淵にさしかかると、にわかに稲妻が光り、雷鳴がとどろき、川は濁流となって渦巻き、行列の家臣や女中は流され、姫の乗った駕籠は黒雲に包まれて行方知れずとなってしまった。

父の道高はこれを大層悲しみ、この水神社を再建し、能恵姫を合祀したという。