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秋田県羽後町飯沢

震災前取材

 

鈴木家住宅は、羽後町の山あいに位置し、秋田県内で現存するものとしては最も古い民家で、17世紀後半の建築と推定され、300年以上も経たものである。平成6年(1994)、国重要文化財に指定されている。

中門造り、茅葺き屋根を残す秋田の伝統的で代表的な民家の形態を残すもので、東北から新潟、会津にかけての日本海側に広く分布する農家の形態で、豪雪地帯のため出入口が中門の先端にある点が太平洋側の曲り家と異なる。

鈴木家の祖は、紀州から源義経に従った鈴木三郎重家と伝えられ、文治5年(1189)に平泉から落ち延び、この地に土着し帰農したと云う。

鈴木家は、戦国期にはこの地を支配した小野寺氏から田長(たおさ)役を命ぜられ、江戸時代の佐竹氏からも肝煎役を仰せつかり、文政13年(1830)に名字帯刀を許された。鈴木家当主は代々杢之助を襲名し現在に至っている。