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秋田県鹿角市十和田大湯

2011/10/01取材

 

大湯環状列石は、縄文時代後期の大型の円形状配石遺跡で、ストーンサークルとも呼ばれている。

遺跡は昭和6年(1931)に発見され、昭和26年(1951)と翌年の昭和27年(1952)に本格的な学術調査が実施された。

この遺跡は、舌状台地の先端部に造られており、河原石を菱形や円形に並べた組石の集合体が、外帯と内帯の二重の同心円状に配置されている。その外輪と内輪の中間帯には、一本の立石を中心に細長い石を放射状に並べ、その外側を川原石で三重四重に囲んでいる。その形から「日時計」ともいわれている。

遺跡は、東西に野中堂遺跡と万座遺跡で構成されており、大きい方の万座遺跡は直径は46mもあり、現在発見されている中では日本で最大のストーンサークルである。組石は万座では48基、野中堂には44基ある。それぞれの組石の下には墓壙があり、共同墓地だったと考えられている。

万座の周辺調査から、掘立柱建物跡群があったことが明らかになり、これらは葬送儀礼に関する施設ではないかと考えられている。また、日時計状組石の中心部から環状列石中心部を見た方向が夏至の日に太陽が沈む方向になっている。また、付近の北東方向には黒又山があり、大湯環状列石と関連があるという説もある。