韓国、アメリカに原子力潜水艦の核燃料の供給を打診したんだって。アメリカは受け入れるわけもないけど、原潜の計画そのものへの疑念を表明したんだって。当然だと思うけどね。引用はYahooニュース(2020/10/27)ね。

米国政府は最近、韓国から原子力潜水艦で使用する核燃料の供給を打診されたが、これを受け入れなかったとされている。

韓国メディアが6日、米外交筋の話として伝えたところでは、青瓦台(大統領府)の金鉉宗(キム・ヒョンジョン)国家安保室第2次長が先月中旬に訪米。今後、韓国が原子力潜水艦を開発する意向であることを説明した上で、米国から核燃料を購入したいとの意向を伝えたところ、米側は自国の核不拡散の原則を理由に難色を示したという。

韓国では近年、原子力潜水艦を建造すべしとする機運が高まっている。北朝鮮が潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の開発に力を入れており、これを搭載した潜水艦が実戦配備された場合、常時監視と即応体制の強化のため、長期間にわたり水中活動が可能な原潜が必要である、との理屈からだ。

文在寅大統領も大統領選挙の候補者だったとき、原潜の必要性に言及している。
しかし、米国内にはこうした韓国の動きを怪しむ向きがある。米ランド研究所の上級防衛アナリストであるブルース・ベネット氏は米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)に対し、「北朝鮮への対応を考えた場合、地理的な観点から言って、韓国の潜水艦が遠洋に出ていく状況は多くはないだろう」としながら、韓国海軍が原子力潜水艦の導入を主張し続ける理由は、実用的な理由よりは技術力を誇示するための象徴性にあるのではないか」と語ったという。

同氏はまた、「原潜が核兵器を搭載しないならば、効率的な『戦略資産』にもなり得ない」と指摘したとのことだ。
米ミドルベリー国際問題研究所のジョシュア・ポラック上級研究員もRFAに対し、「韓国はすでに北朝鮮全域を攻撃できるミサイル戦力を備えており、海上から発射できるミサイルも多数保有している。それなのに、どのような理由から韓国が原潜を欲しがるのか、その背景に疑問を抱かずにはいられない」と語っている。

これらはいずれも民間の専門家の意見ではあるが、米国政府の中にも同様の疑問があるということだろう。
米国にトランプ政権が、韓国に文在寅政権が誕生して以降、米韓のこうした「ズレ」は数多く表面化してきた。特に原潜の件に関しては、北朝鮮に融和的過ぎるとの批判を受けてきた文在寅政権が、珍しく「北の脅威」を強調して軍備増強を希望しているにも関わらず、米国側がそっぽを向いているのだ。

そもそも、原潜を欲しがる文在寅政権の真意については、筆者もかなりの「怪しさ」を感じている。
しかしその良し悪しについては別の機会に語るとして、本当に原潜が欲しいならば文在寅政権はまず、米国の政治家や軍人、専門家らを時間をかけて説得し、韓国の方針を支持する世論を作らねばならなかったはずだ。
それをしない文在寅政権は、一種の「サボリ体質」を内包していると言えるかもしれない。そしてそれは、理念先行で現実と格闘しようとしない、対北関係や対日関係にも表れているように思われる。

韓国の空母計画もそうなんだけど、原潜計画も自国防衛という観点からは、なんとも摩訶不思議なんだよね。韓国の周囲は浅い海が多く、原子力潜水艦が長期間潜航できるような状況ではないのよね。

韓国側の原潜開発の理由は、「北朝鮮が、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を搭載した潜水艦が実戦配備された場合、常時監視と即応体制の強化のため、長期間にわたり水中活動が可能な原潜が必要である」ということらしいのよ。

なんか変だよね。常時監視するならば、キルチェーン計画の監視衛星を強化すればいいことだし、あとは、自慢のイージス艦やらで対応できると思うんだけどね。必要であれば、対潜装備を充実する必要はあるかもね。ソナーの代わりに魚群探知機なんか装備しているんだったら、取り替えたら良いと思うけど。

それにね、パレード艦、海上スポーツジムになってる独島艦、早いところ対潜ヘリを搭載したらどうかな。塩害処理もできない国産ヘリの開発をいつまで待っててもタケコプターでしょうが。はやいとこアメリカのシーホークでも輸入して、戦力化すればいいのに。それに、航行不能とかにならないように、発電機の交換とかスクリューの整備とかしっかりやりなよ。

それに、韓国には原潜ではないけど、通常型の潜水艦が結構たくさんあるよね。ペコチャン、ポコチャン級とか言う1100トンクラスの潜水艦なんか、本来はドイツ製で優秀らしいよ。現在の北朝鮮の最大の潜水艦のロメオ級は約1500トンで、最大潜水時間は半日程度の第二次大戦クラスの代物だよ。これに対するのだったら、ポコチャン級でたくさんなんだけど。

韓国はどういうわけかその後も潜水艦にはご執心で、1700トンクラスの通常型潜水艦を、ドイツの潜水艦をもとにして国内生産を始め、2007年以降、次々に就役させたのよね。でもね、ボルトが折れたり緩んだり、スクリューに151ヶ所の亀裂が入ったり、静粛が要求される機関音がやたら大きかったり、数週間の連続潜航が可能のはずが、燃料電池の不具合から数日の連続潜航しかできなかったり。というよりも、このままでは世界最長の永久潜航ということで、就役したはずの6隻の潜水艦はどっかに行方不明。

それでも懲りずに、今度は3000トンクラスの「ドッカノアンチャンコ」とかいうのを建造中なのよ。これって、対地ミサイル発射管を6~10本装備してるんだって。果たして、無事完成するかどうかは、1700トンクラスの潜水艦の状況から考えれば怪しいものだけど。進水したとたんに浸水して永久潜水になるかも。そしてこの「ドッカノアンチャンコ」の3番艦が、原子力潜水艦の予定らしい。

北朝鮮に対しては、「ペコチャンポコチャン」クラスで十分なはずなんだけど、「ドッカノアンチャンコ」クラスや、まして原潜が活動できる海域は太平洋に出なきゃないよ。考えられることは、①武器輸出、②対日兵器、ということかも。でもねもっとやばいのは別にあるのよ。恐らくはアメリカの疑惑もそこにあるかもしれないけど。

先日、北朝鮮が真夜中の軍事パレードで、「北極星4…」と書かれた巨大なSLBMを出してきたんだけど、北が現在保有する潜水艦では、北極星4号どころか、北極星1号を1発だけ搭載するのがやっとなんだって。それにSLBMのこれまでの発射実験も、潜水艦からの発射は全く行われておらず、海中の発射台からのものらしいのね。つまり発射する潜水艦はないわけよ。それにもかかわらず、SLBMを巨大化させている。

北朝鮮が目的とする、アメリカの核攻撃に対する抑止力としての核ミサイルならば、太平洋に進出し、長期間潜航できる3000から4000トンクラスの原潜が必要になるわけよ。

韓国内の左翼勢力には、この時期にあっても、北朝鮮のミサイルが韓国を襲うことはないという、強い信仰じみた考えがあり、また統一朝鮮が実現すれば、一躍、核を保有した大国になるとの妄想を持ったものがそれなりに多くいるようだ。

北朝鮮のSLBM開発も、韓国の軽空母計画も、原潜計画も、太平洋進出という同じベクトル上にあるような。現在の韓国のムン政権は、赤化南北統一を強く夢想しており、韓国の原潜が、核付き赤化南北統一を夢想する韓国左翼勢力の陰謀ではと私は考えているのね。