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山形県高畠町泉岡

震災前取材

 

伊達氏の重臣で一本柳城主の浜田大膳は、子供がなかったため、亀岡文殊菩薩に願を立てた。七日目に夢枕に文殊様があらわれ、牡丹の花で浜田夫婦の頭を撫でた。不思議なことだと思っていると、奥方に懐妊の兆しがあらわれ、願いが通じ姫が生まれた。大膳夫婦はこの姫を牡丹姫と名付け大切に育てた。

牡丹姫は美しく長じ、やがて新宿城主の志田義次に嫁して、やがて懐妊した。お産のための里帰りの途中、この地で急に産気づき、玉のような男子を産んだが、牡丹姫は産後の肥立ちが悪く、遂に帰らぬ人となってしまった。人々はこれを憐れみ、祠を建ててその霊を弔った。

以後、これを子安明神と称し、安産を願う人々が訪れるようになり、信仰を集めるようになった。