山形県白鷹町菖蒲

震災前取材

 

国道287号線の路肩の下のあぜ道に、「弘法水」はあり、祠がたてられ、大事に伝えられている。

その昔、猛暑の中、汗にまみれた法衣をまとい、息も絶え絶えに弱った旅の僧が村を訪れ一杯の水を求めたが、誰もこの僧に水を与えようとはしなかった。

旅の疲れと喉の渇きで、旅の僧は路傍にしゃがみこんでしまった。僧は持っていた錫杖で、経を唱えながら地面をとんとんと突いていたが、しばらくすると、地面からこんこんと清水が湧き出した。僧は「やれ嬉しや」と喉を潤し、疲れも癒え、いずこともなく立ち去った。

ところが、この清水以外の村中の井戸水が涸れ始め、村人たちは驚き、仏罰とおそれ後悔した。

後に、その僧は旅の途中の弘法大師だったことがわかり、その後誰言うともなく、この清水を「弘法水」と呼ぶようになった。

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