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山形県長井市草岡

震災前取材

 

大明神桜は、エドヒガンの巨木で、目通り周囲10.9m、樹高18.8m、枝張りは東西方向25m、南北方向22mで、人里に植栽された単幹のサクラとしては国内最大級の太さである。

樹齢は1200年とも伝えられ、元の主幹は腐朽し空洞化しているものの、旺盛に発達した不定根により樹体が維持されている。地元では古くから種蒔桜と称し、春の籾の播種の目安とされていた。

この桜は、坂上田村麻呂が、蝦夷を平定したとき、その戦勝記念として植えられた5本の内の1本と伝えられる。

また、伊達政宗が、14、5歳の頃、鮎貝氏との合戦に初陣として加わった際、戦いに敗れ、この桜の洞に隠れ難を逃れた。政宗は、

桜子の 散り来る方を 頼み草 岡にて又も 花を咲かせん

と詠み、この桜の栄え久しきことと子孫長久を祈り、この地に家臣を残し祀らせたと伝えられる。