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山形県中山町達磨寺

震災前取材

 

「お達磨の桜」はエドヒガンサクラで、樹齢はおよそ700年と推定され、高さは約15m、樹幹は約5mで、村山地区の桜としては最大級の大きさ。県の天然記念物に指定されている。

 

・生き達磨の伝説

昔、この地達磨寺村の名主助左衛門のもとにみすぼらしい僧が訪れた。名主は心を込めてもてなしたが、僧はその晩急に苦しみだし、「死んだら須川のほとりの桜の根元に埋め、35日たったら掘り出してくれ」と言い残して息を引き取った。
村人達は僧を手厚く葬り、遺言どおりに掘り返して見ると、芦の葉に身を託し、波濤を一気に乗り切ろうとしている「渡海達磨図」の掛け軸が一幅でてきた。

村人達はこれをありがたく祀っていたが、表具が痛んだので、都に修理に出すことになった。完成したとの知らせに、わざわざ都まで受け取りにやってきた助左衛門は、表具師に同じ図柄の掛け軸を六本も並べて見せられ、どれか分からずにほとほと困り果ててしまった。

宿に帰った助左衛門は、夢枕で「笹の葉で目をこすってくれ」とのお告げを聞いた。翌日、並べられた掛け軸の達磨の目を笹の葉でこすると、一幅だけパチパチとまばたきをした。

助左衛門はそれを持ち帰り、達磨大師の化身「生き達磨」と崇めるようになったと云う。