山形県上山市蔵王

震災前取材

 

蔵王とは単独の山ではなく、山形県と宮城県の県境に位置し、奥羽山脈の一部を構成する連峰を指す。北から、雁戸山、三宝荒神山、地蔵山、熊野岳、刈田岳、杉ヶ峰、屏風岳、不忘山と続く峰々である。

この中で山形県側に位置する標高1841mの熊野岳が最高峰で、奈良時代の和銅元年(708)に山頂に熊野神社が草創された。

蔵王とは、役小角の所縁の地である奈良の金峯山に由来し、ここに金峯山蔵王堂がある。役小角は修験道の祖と云われ、山界に住み修行により験力を得たという。小角は、人々の災いを取り払うために孔雀明王経や不動明王経を唱えていると、弁才天や地蔵菩薩が現れたが、小角の求める威力を秘めた神仏とは異なっていたので、さらに祈りを続けた。すると突然すさまじい雷光雷鳴とともに、真っ赤な火炎の中から憤怒の形相の神が現れたと云う。この神は青黒色の顔を持ち、顔は怒りに燃えた降魔調伏の三眼を輝かせており、小角はこれこそが求めていた神と悟ったという。

熊野岳には、この蔵王権現がまつられており、また地蔵岳には地蔵菩薩がまつられており、熊野信仰がこの地に根付いていたことを示している。

この熊野岳山頂には、斉藤茂吉の歌碑も立っている。

みちのくを ふたわけざまに そびえたまう 蔵王の山の 雲のなかに立つ

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