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山形県上山市中山

震災前取材

 

上山市川口と中山の境の国道13号線沿いに古来より名勝となっている巨石がある。かつては17mほどの長さがあり、その傍らに奥行き8m程の洞窟があったといわれている。巨石の上には一本の桜があり、西の枝は米沢領、東の枝は最上領とされていた。

慶長5年(1600)の出羽合戦では、この洞窟に上杉勢が潜み、追撃してきた最上勢を待ち伏せたとの伝承があり、「隠れ石」の別名もある。江戸時代には密かに越境を図る者が隠れたとも伝えられる。またこの地は戊辰戦争においても戦場になったという。

明治に入り、奥羽線の工事により一部が割られ鉄道の敷石として使われ、現在はその大きさはかなり小さくなってしまった。今は新幹線と国道13号線が掛入石を挟むように通り抜けている。