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山形県山形市平清水

震災前取材

 

千歳稲荷は、山形城の南方の千歳山中腹にある。この稲荷には、山形城築城に関わる伝説が伝えられる。

延文元年(1356)、斯波修理太夫兼頼が山形入部に際して、山形城を築城するとき、まず使者を遣わしてこの山に登らせ、城の配置を見定めさせた。

当日は霞がたれ込め視界は良くなく困っていると、この稲荷社に巡りあい、使命の達成を祈願するとたれ込めていた霞はたちまち晴れ渡り、目的を達することが出来た。このことを主君兼頼に報告し、兼頼もまた稲荷大神の霊験なりと悦んだ。

その後、兼頼は山形城を築城し、城の正門と向かい合わせの現在の地に稲荷神社の社殿を建立した。その後兼頼は、毎朝東の空を拝する度に、千歳万歳かけて天下泰平、五穀豊穣を願ったという。

この故実により、千歳稲荷大神と称されるようになり、城の名も霞城(かじょう)と称するようになったと云う。