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山形県大蔵村南山

震災前取材

 

この地を流れ る銅山川は、小松森の岩にぶつかり、大きく曲がり渕を形成している。小松森は、今から約1万年前に起こった肘折カルデラの最後の噴火でできた、火口を持つトロイデ型の小火山である。この地は春には緑の姫小松、秋には紅葉に彩られた小松森が水面に映え、四季折々の景観が楽しめる景勝の地として知られる。

この地には、次のような大蛇の伝説が伝えられる。
昔、この小松渕には巨大な大蛇が住みつき、豪雨を降らせたり、田畑を荒らしたり、不思議な赤い橋に化けて人に怪我をさせたり、時には村人の命を奪うこともあり、村人たちからは小松渕の主として恐れられていた。

これを聞いた新庄藩の二代目藩主の香雲寺様は、「我が領内に、我以外の主はあるべきはずなし、汝行きてこれを退治せよ」と、剛勇の士の小山八郎に命じた。君命を受けた八郎は、奮然として渕に飛び込み、噂通り小松森を七回り半もする巨大な白蛇と大格闘の末、ようやく息の根を止めることが出来た。

息絶えた大蛇から吹き出た血潮は、七日七晩川の水を朱に染めるほどだったと云う。