山形県大石田町字大石田

震災前取材

 

乗船寺は、慶長元年(1596)、最上義光の重臣である大乗内記の庇護の下に創立された。寝釈迦で有名な約7尺の大涅槃像は、元禄7年(1694)、木食上人が寄進したもので、県内でも珍しい像である。また釈迦堂の阿弥陀如来像は約800年前の作で、千手観音と共に県指定文化財となっている。

乗船寺の名称は、大石田を流れる最上川が西方浄土への道で、この寺は浄土へ向かう船であると考えられたところからの寺名と伝えられている。

 

・斉藤茂吉の墓

乗船寺の境内に斉藤茂吉の墓がひっそりと立つ。

斉藤茂吉は歌人として有名で、大正から昭和にかけてのアララギの中心人物。太平洋戦後の昭和21年(1946)1月大石田に移住し、2年間暮らした。大石田に移って間もなく患い、3ヶ月に及ぶ闘病生活を送った。敗戦の深い悲しみと病床での孤独感を救ったものは、みちのくの風土と人びとのあたたかなまごころだったようだ。

最上川を中心とした四季移ろいの美しい自然に浸り、移住先の自分の住まいに自ら聴禽書屋と名付け、歌集「白き山」を発表した。夏冬とおして洋服にツマコワラジを穿きサンダワラを抱えて散歩しているその姿を記憶にとどめている人は大石田に今も多い。

「最上川逆白波のたつまでにふぶくゆふべとなりにけるかも 」

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