山形県尾花沢市梺町二丁目

震災前取材

 

養泉寺は尾花沢の市内西部にある天台宗の寺院である。慈覚大師の開基とされ、元和元年(1615)に現在地に移ったと伝えられる。本尊は慈覚大師の作と伝わる聖観世音菩薩。

この養泉寺は、松尾芭蕉が奥の細道で尾花沢の鈴木清風を訪ねた折、尾花沢滞在10日間の内7日間泊まった所といわれている。清風邸から700mほどの距離にあり、芭蕉が訪れた元禄2年(1689)は伽藍が大修理された翌年にあたり、院内にはまだ芳しい木の香りが漂っていたと思われる。

奥羽山脈と出羽山地に挟まれた高温多湿の盆地にあって、高台に立地している養泉寺には最上川や丹生川からの涼風が吹き込み、月山や鳥海山を臨むこの地は、芭蕉にとって、旅の疲れを癒すに絶好の休み処となった。境内には芭蕉の句碑があり、涼し塚と呼ばれている。

芭蕉はこの尾花沢での次の三句を「奥の細道」におさめている。

涼しさを 我宿にして ねまる也

這出よ かひやが下の ひきの声

まゆはきを 俤にして 紅粉の花

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