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宮城県角田市高倉字寺前

高蔵寺阿弥陀堂は宮城県最古の木造建築物で、治承元年(1177年)に藤原秀衡の妻などの手によって建立されたと伝えられている。

御堂は、阿弥陀堂であるため東面して建てられ、間口、奥行ともに9.3mの正四方形で、太い円柱で支えられている。 平安時代の阿弥陀堂で現存しているのは、宇治平等院鳳凰堂、大原三千院など全国で7ヶ所で、国指定重要文化財に指定されている。

東北では平泉中尊寺の金色堂、いわき白水の願成寺阿弥陀堂、そして高蔵寺阿弥陀堂の3ヶ所。阿弥陀堂の風格、様相は平泉建築の流れを組んだもので、奥州藤原文化が東北一円に広がっていたことを示している。 本尊は阿弥陀如来で、平安末期の作とされ御堂建立の翌年に安置されたと推定されている。

丈六の坐像は像高2.7mの寄木造りで、その総高は5.14mの堂々たる漆塗りの尊像で、舟底形の天井につかえるばかりの大きな透かし彫りの飛雲光背を背にして、床の上に直接すえられた蓮華座に安置されている。阿弥陀堂とともに国指定重要文化財に指定されている。