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宮城県白石市小原字上台…材木岩公園内

明治時代、白石の小原地区は、養蚕、製糸業が盛んな地域だったが、明治初期は、養蚕に欠かせない蚕種(蚕の卵)を地区内でつくることができず、福島県の伊達郡から入手していた。

しかし、明治13年(1880)、古山長吉氏が小原黒森で、一年中冷風が吹き出す天然の風穴を利用して、蚕種貯蔵の氷室をつくり成功した。小原地区には多くの風穴があり、明治40年(1907)頃までに多くの氷室が作られ、材木岩氷室もそうしたものの内の一つであった。

氷室は、風穴の周り三方を石組みした中に、簡素な小屋を建てたもので、中は常に風穴から冷風が吹き出し、天然の冷蔵庫となっている。しかし、大正時代には生糸の値段が大暴落したため、材木岩氷室は廃絶された。 現在ある氷室は、絵馬に描かれた氷室の様子などをもとに復元されたものである。