宮城県蔵王町遠刈田温泉

 

蔵王町遠刈田の住宅地の奥に、ひっそりと小さな堂が建つ。この祠は五輪堂といい、あばたやいぼが治ると言い伝えられており、信仰を集めている。

この地には、金売り吉次が発見したという岩崎山金窟があり、その父親である炭焼き藤太にまつわる次のような伝説がある。

むかし、京の都の三条盛実という公家に、「おまん」というお姫様がいた。姫は幼い頃に疱瘡をわずらい、顔にあばたがあった。長ずるにつれ、これを気にしながら暮らしていた。ある晩、夢枕に神様があらわれて、「遠刈田の炭焼き藤太の嫁になれば幸せになれる」と告げた。姫は、乳母一人をともなって遠刈田におもむき、藤太の嫁になった。

あるとき、貧しい藤太の暮らしを見かねた姫が持参した金を渡したところ、藤太はこんなものなら炭窯のところにいくらでもあると言う。姫が見に行くと、一面に金が落ちていた。姫は藤太に金の価値を教え、さらに夫婦で努力を重ねたこともあり裕福になり、幸せな暮らしを送ることができた。

姫とともにやってきた乳母は、その後もずっと姫に仕え続けたが、「もし、あばたやいぼで困った人がいたら、私の墓にお参りして下さい」と言い残して亡くなった。

姫はこの乳母のために五輪塔を建てその冥福を祈ったという。

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