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宮城県村田町小泉字姥ヶ懐山

  村田町の民話の里のある姥ヶ懐周辺には、渡辺綱の鬼退治に関わる伝説が残る。 この地には、平治の乱の折に敗れた源氏の一族の渡辺党が落ち延びて隠れ住んだと伝えられ、この集落の殆どが渡辺姓だという。また、嵯峨天皇からの系譜の渡辺党の家系図も伝えられている。 伝説によれば、羅生門で右腕は切り落としたものの取り逃がした鬼を追いかけ、渡辺綱とその一族がこの地に来た。そのとき叔母に姿を変えた鬼が現れ、右腕を奪い逃げたという。このとき鬼は、屋根から下がった囲炉裏の自在鍵を伝い上り、屋根の煙抜きの天窓から逃げたという。 そのため、この集落ではそれ以降自在鍵は用いず、また煙抜きの天窓をもうけなかったという。また、節分の豆まきの行事では、「鬼は外」の掛け声はかけないということだ。